バルデナフィルの用法および用量に関連する注意

バルデナフィルの用法および用量に関連する注意は、他の薬剤との併用時に起こりうる血中濃度の上昇や副作用のリスクに対応するために設けられています。以下に、7.1と7.2それぞれの注意点について詳しく解説します。


7.1:CYP3A4阻害薬(マクロライド系抗生物質)との併用

「チトクロームP450 3A4を阻害する薬剤(マクロライド系抗生物質)との併用により、本剤の血漿中濃度が上昇することが認められているので、投与量は5mgを超えないこと。」

解説:

  • バルデナフィルは主に肝臓の酵素CYP3A4によって代謝されます。
  • マクロライド系抗生物質(例:クラリスロマイシン、エリスロマイシン)は、このCYP3A4を強く阻害することがあります。
  • 阻害されると、バルデナフィルの分解が遅れ、血中濃度が通常より高くなり、副作用(特に低血圧、視覚障害、頭痛など)のリスクが増加します。

対応:

  • 併用が必要な場合は、必ず5mg以下に制限する。
  • それ以上の用量では、過剰な血中濃度上昇のリスクが高まるため非常に危険です。
  • 併用の是非や期間については、医師の慎重な判断が必要です。

7.2:α遮断薬との併用

「α遮断薬との併用により、症候性低血圧があらわれるおそれがあるので、α遮断薬による治療で患者の状態が安定していることを確認した上で、低用量(5mg)から投与を開始すること。」

解説:

  • α遮断薬(例:ドキサゾシン、タムスロシンなど)は、高血圧や前立腺肥大症の治療に使われ、血管を拡張する作用があります。
  • 一方、バルデナフィルも血管拡張作用を持つため、併用すると血圧が過度に低下し、立ちくらみや失神などの「症候性低血圧」が起こる可能性があります。

対応:

  • まず、α遮断薬の投与によって血圧や症状が安定していることを確認します。
  • そのうえで、バルデナフィルは5mgから開始します(最も低い推奨量)。
  • 状態が安定していない場合は、併用は見合わせるべきです。

両者に共通する重要ポイント

注意点 理由 対応策
CYP3A4阻害薬併用 代謝阻害による血中濃度上昇 5mg以下に制限
α遮断薬併用 相加的な血管拡張による低血圧 5mgから慎重に開始し、安定を確認

実臨床でのアドバイス

  • 患者がすでに上記薬剤を使用中の場合、自己判断でED治療薬を使用することは非常に危険です。
  • 医師・薬剤師への相談が必須であり、併用薬の情報は正確に伝えることが重要です。

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